101. 破傷風

英題:Tetanus

作曲:thus(2016-2022)
編曲:thus(2022)
Music by thus © 2022 thus

歌詞:thus(2022)
Lyrics by thus © 2022 thus

絵:thus(2022)
動画:thus(2022)
―フォント:851テガキカクット

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【 破傷風 ( はしょうふう ) 】

しんしん 冷気 ( れいき ) 零 ( ふ ) る 白夜 ( びゃくや )   融 ( と ) けた 霜 ( しも ) 降 ( お ) りる 白夜 ( びゃくや )
じんじん 詢 ( と ) い 諏 ( はか ) る 最中 ( さなか )  その 姿 ( すがた ) を 覧止 ( みと ) めれずに
漸 ( ようよ ) う 淡 ( あわ ) くなる 極夜 ( きょくや )   晶結 ( しょうけつ ) も 華 ( しろ ) い 中 ( なか ) で
不幸 ( ふこう ) にも 事故 ( じこ ) が 遭 ( あ ) った

しんしん 凍気 ( とうき ) 舞 ( ま ) う 白夜 ( びゃくや )   駆 ( か ) けて 日 ( ひ ) の 廻 ( めぐ ) る 白夜 ( びゃくや )
延々 ( えんえん ) 目眩 ( めくるめ ) き 乍 ( なが ) ら  全方位磁針 ( ぜんほういじしん ) の 指 ( さ ) す
滔々 ( とうとう ) 逸 ( そび ) れ 做 ( な ) す 極夜 ( きょくや )   夜 ( よ ) もすがら 皓 ( しろ ) める 中 ( なか ) で

夙 ( つと ) に 御真影 ( ごしんえい ) を 掲 ( かか ) げた 面 ( つら ) と
着物 ( きもの ) めかし 付 ( つ ) けた 有刺化石 ( ゆうしかせき ) と
その 他 ( た ) 幾万方 ( いくまんがた ) 遺 ( のこ ) す 君 ( きみ ) が
不幸 ( ふこう ) 乍 ( なが ) らも 事故 ( じこ ) に 遭 ( あ ) った

凛 ( りん ) として 真直 ( まっす ) ぐに 穿 ( うが ) つ 視線 ( しせん ) で 其処 ( そこ ) に 群 ( むら ) がる 人 ( ひと ) を 捌 ( さば ) き 乍 ( なが ) ら
「どうして、 君 ( きみ ) がどうして、どうして」と 嘆 ( なげ ) く 大勢 ( おおぜい ) の
人脈 ( じんみゃく ) の 衍 ( ひろ ) がる 様 ( さま ) を 一度 ( ひとたび ) に 賑 ( にぎ ) わせた 外側 ( そとがわ ) で 私 ( わたし ) が 見 ( み ) たのは

当 ( とう ) サークルの 零 ( こぼ ) れを 剽窃 ( ひょうせつ ) し  首位席 ( しゅいせき ) 狙 ( ねら ) う 量産 ( りょうさん ) の 芸凍 ( げいとう ) だ
どうして、 皆 ( みな ) はどうして、どうして 記念 ( きねん ) 許 ( ばか ) り 存 ( と ) い
追随自刃 ( ついずいじじん ) 転生 ( てんせい ) コーナーを 儲 ( もう ) ける 人 ( ひと ) の 気色 ( きしょく ) 凶 ( わる ) さに 私 ( わたし ) は
何 ( なに ) かに 擂 ( う ) たれたように 発 ( た ) った

坡 ( さか ) を 征 ( ゆ ) けよ アルペンスキーの 若 ( ごと ) く
喞筒 ( ポンプ ) で 圧雪 ( あっせつ ) 蹙 ( け ) り 去 ( ゆ ) き 野次馬 ( やじうま ) の 間 ( ま ) を 縫 ( ぬ ) い 蹌踉 ( よろ ) け 乍 ( なが ) ら
茫 ( とお ) い 旅路 ( たびじ )

飛沫 ( (しぶ) ) いて 邁 ( ゆ ) けよ  漆 ( うるし ) を 繚 ( まと ) える 似 ( ごと ) く
風化 ( ふうか ) にその 身 ( み ) 鑢 ( やすり ) 剥 ( と ) り 白昼 ( はくちゅう ) 刃 ( き ) らす 零度 ( れいど ) の 地 ( ち ) で
寥 ( しず ) か 彼方 ( かなた )

生 ( い ) き 物 ( もの ) の 眠 ( ねむ ) る 閑静 ( かんせい ) こそを 延々 ( えんえん ) と 展 ( の ) ばす 極夜 ( きょくや ) を
一向 ( ひたすら ) 凍 ( い ) てつく 沈 ( しず ) みを 黙々 ( もくもく ) 離 ( はな ) れて 往 ( ゆ ) くほど
鎌鼬 ( かまいたち ) が 切 ( き ) れる 似 ( ごと ) き 辻切魔 ( つじきりま ) になれと 告 ( つ ) げる
顔無 ( かおな ) し 講師 ( こうし ) の 氷柱 ( つらら ) が 人肝 ( ひときも ) を 刳 ( えぐ ) り 剥 ( と ) り 衒 ( う ) り

曇天 ( どんてん )   残雪 ( ざんせつ ) を 過 ( す ) ぎて 境地 ( きょうち ) へ 飛 ( と ) び 練 ( ね ) り 征 ( ゆ ) く 度 ( たび )
生死 ( せいし ) に 立 ( た ) ち 会 ( あ ) う 私 ( わたし ) の 血潮 ( ちしお ) が 滾 ( たぎ ) り 冷 ( ひ ) え 上 ( のぼ ) せ
暴 ( あば ) れる 粉雪 ( こなゆき ) に 呑 ( の ) ませ 淘汰 ( とうた ) を 嘯 ( うそぶ ) く 悪魔 ( あくま ) が
遍 ( あまね ) く 冽 ( つめ ) たい 胸 ( こころ ) へ 私 ( わたし ) の 壊死 ( えし ) を 庶幾 ( こいねが ) うよう

嗚於 ( おお ) 、 雪崩 ( なだれ ) が
怒 ( いか ) れる 君 ( きみ ) の 忠 ( まごころ ) を 代弁 ( だいべん ) するかの 如 ( ごと ) くに
私 ( わたし ) の 生命 ( せいめい ) を 脅 ( おど ) すようだ

嗚於 ( おお ) 、 世迷 ( よまい ) が
公開処刑 ( こうかいしょけい ) の 刺激 ( しげき ) に 鬱憤 ( うっぷん ) を 晴 ( は ) らす 娯楽 ( ごらく ) で
私 ( わたし ) を 詰 ( なじ ) り 続 ( つづ ) けているようだ

嗚於 ( おお ) 、そのまま 期待 ( きたい ) に 推 ( お ) し 虔 ( ころ ) された
君 ( きみ ) の 黙 ( もく ) した 丹 ( まごころ ) の 凍 ( こご ) えた 亡骸 ( なきがら ) を 背負 ( せお ) うようだ

君 ( きみ ) へ:
ずっと 疎 ( うと ) んでいた
君 ( きみ ) が 邪魔 ( じゃま ) で 仕方 ( しかた ) がなかった
そんな 意 ( おも ) い 累 ( かさ ) ね
取 ( と ) り 憑 ( つ ) き 成就 ( じょうじゅ ) に 浮腫 ( むく ) んだのかもと

でも、きっと、もっと 前 ( まえ )
競 ( せ ) り 合 ( あ ) う 中 ( なか ) で 潰 ( つぶ ) し 合 ( あ ) い 出 ( だ ) して
何某 ( なにがし ) が 冷 ( ひ ) え 切 ( き ) って
毀 ( こぼ ) れたことかも 知 ( し ) らないけど

きっと、もっと、ずっと 前 ( まえ )
君 ( きみ ) と 私 ( わたし ) は 出会 ( であ ) えていた
派閥 ( はばつ ) の 無 ( な ) い 一人 ( いちにん ) として
未熟 ( みじゅく ) を 貴 ( たっと ) び 嬉 ( たの ) しんだを

向 ( む ) かう 滑走路 ( かっそうろ ) で 惟 ( おも ) っていた
君 ( きみ ) と 私 ( わたし ) で 挟 ( はさ ) んでいたあの
大氷河 ( だいひょうが ) の 深淵 ( しんえん ) は
いつからあんなに 裂 ( さ ) けていただろう ロ

雹 ( ひょう ) として 真直 ( まっす ) ぐに 向 ( む ) かい 続 ( つづ ) けた  璧 ( たま ) へと 透 ( す ) ける 人 ( ひと ) を 絆 ( ほだ ) し 乍 ( なが ) ら
そうして、 世迷 ( よまい ) を 通 ( とお ) して、そうして 応 ( こた ) えを 識 ( し ) った 今 ( いま )
卒 ( つい ) に 外 ( そと ) からの 擦 ( なぞ ) りで 隕 ( お ) ちる 霰 ( あられ ) が 導 ( みちび ) き
漸 ( ようや ) く 彼処 ( あそこ ) が 見 ( み ) えてきた

要塞化 ( ようさいか ) した 君 ( きみ ) の 自宅前 ( じたくまえ ) 聖廟化 ( せいびょうか ) した 君 ( きみ ) の 自室 ( じしつ ) の 後光 ( ごこう )
どうして、 私 ( わたし ) はどうして、どうして 何 ( なに ) を 悔 ( く ) いて 今 ( いま )
真影色紙 ( しんえいしきし ) 占 ( し ) める 一片 ( いっぺん ) へ  愛憎 ( あいぞう ) 交 ( まじ ) え 最後 ( さいご ) の 式典 ( しきてん ) へと
どうして、 君 ( きみ ) はどうして 疏 ( うと ) んだ 私 ( わたし ) を 呼 ( よ ) んだんだ

派閥 ( はばつ ) の 膿 ( うみ ) を 剥 ( は ) がして
要塞 ( ようさい ) を 閃 ( せん ) に 突破 ( とっぱ ) して
表彰台 ( ひょうしょうだい ) を 壊 ( こわ ) して
君 ( きみ ) に 帰 ( おく ) る 送辞 ( そうじ ) を 謂 ( い ) った

「ああ、お 別 ( わか ) れだ、 私 ( わたし ) の 友達 ( ともだち ) になれなかった 他人 ( ひと ) 」