110. 月の站「ミロチャン」

英題:Moon Station "Miro-chan"

作曲:thus(2022)
編曲:thus(2022)
Music by thus © 2022 thus

歌詞:thus(2022)
Lyrics by thus © 2022 thus

絵:茶仔(2022)
Art by 茶仔 © 2022 茶仔

動画:thus(2022)
―フォント:瀬戸フォント

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【 月 ( つき ) の 站 ( えき ) 「ミロチャン」】

胸 ( こころ ) の 半蔀 ( はじとみ ) から 見 ( み ) え 透 ( す ) いた
何処 ( どこ ) も 彼処 ( かしこ ) も 知 ( し ) らぬ 糸 ( いと ) 許 ( ばか ) りが 張 ( は ) り
如何 ( どう ) してこんな 処 ( ところ ) に 居 ( い ) るのだろう 思 ( おも ) い 当 ( あ ) たる 節 ( ふし ) が 無 ( な ) い 様 ( よう ) で
観 ( み ) た 想像 ( そうぞう ) に 侖 ( おも ) いは 帀 ( めぐ ) るのに 遠退 ( とおの ) いた 今 ( いま ) に 視野 ( しや ) が 徹 ( とお ) らない

どうでも 良 ( い ) いことだったのねって 思 ( おも ) えず 割 ( わ ) り 切 ( き ) れない 私 ( わたし ) には 何 ( なに ) が
相当 ( そうとう ) な 空想創世 ( くうそうそうせい ) を 強 ( し ) いられ 続 ( つづ ) けて 寝 ( ね ) れなくなって
点々 ( てんてん ) 蒼 ( あお ) さを 法令 ( ほうれい ) に 溜 ( た ) めて そんな 私 ( わたし ) には 何 ( なに ) が 残 ( のこ ) った
辿 ( たど ) り 着 ( つ ) いた 終点 ( しゅうてん ) の 站 ( えき ) こんなものはと 振 ( ふ ) り 被 ( かぶ ) るけど

忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めているような 気 ( き ) がして
そうして 待 ( ま ) っていて
忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めているような 気 ( き ) がして
そうして 待 ( ま ) っていて

忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 曳 ( ひ ) き 月影 ( つきかげ ) を 追 ( お ) い 駆 ( か ) ける
架電線 ( かでんせん ) の 連 ( つら ) なるその 先 ( さき ) に そうして 待 ( ま ) っていて
まだ 忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 曳 ( ひ ) き 月影 ( つきかげ ) を 追 ( お ) い 抜 ( ぬ ) ける
常軌 ( じょうき ) を 通 ( とお ) り 過 ( す ) ぎている それは 決 ( けっ ) して 見 ( み ) ぬ 未来 ( みらい )

曰 ( いわ ) く 永劫 ( えいごう ) 、 普 ( あまね ) く 拒 ( こば ) まずと 迎 ( むか ) え
何千万 ( なんぜんまん ) もの 姿 ( すがた ) を 見送 ( みおく ) った、とか
熟 ( こな ) れているようで あどけないような その 場所 ( ばしょ ) の 人 ( ひと ) は 物 ( もの ) 知 ( し ) れず
この 邂逅 ( かいこう ) に 何 ( なに ) か 在 ( あ ) る 筈 ( はず ) と 私 ( わたし ) の 話 ( はなし ) を 聞 ( き ) きたがっていた

胸 ( こころ ) の 半蔀 ( はじとみ ) から 只 ( ただ ) 見 ( み ) てきた
取替噺 ( とりかえばなし ) を 順 ( じゅん ) に 繰 ( く ) りと 詠 ( なが ) めるように
曜日 ( ようび ) を 繰 ( く ) って 次 ( つぎ ) の 刻 ( とき ) を 舌 ( ことば ) にして 続々 ( ぞくぞく ) と でも 徐々 ( じょじょ ) に
膜下 ( まっか ) の 蜘蛛 ( くも ) が 苛虐 ( かぎゃく ) になって ただ 語 ( かた ) るほどに 虛 ( むな ) しくなった

どうでも 良 ( い ) いのに 自分 ( じぶん ) の 語 ( かた ) りを 満足 ( まんぞく ) 適 ( ゆ ) くまで 話 ( はな ) す 卑 ( いや ) しさ
もう 最早 ( もはや ) 「 憑 ( つ ) いていた」 それにならないようにと 努 ( つと ) めて 来 ( き ) たのに
点々 ( てんてん ) 蒼 ( あお ) さを 法令 ( ほうれい ) に 溜 ( た ) めて そんな 私 ( わたし ) には 何 ( なに ) が 残 ( のこ ) った
百月 ( ひゃくつき ) と 経 ( た ) っている 語 ( かた ) り こんなものはと 切 ( き ) り 上 ( あ ) げようとせど

忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めているような 気 ( き ) がして
常 ( つね ) に 架電線 ( かでんせん ) の 集 ( あつ ) まる 中心 ( ちゅうしん ) で 耳 ( みみ ) を 傾 ( かたむ ) けていて
その 忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めているような 気 ( き ) がした
取 ( と ) り 戻 ( もど ) せぬを 置 ( お ) いて 来 ( き ) ていた 遥 ( とお ) い 茫 ( とお ) い 過去 ( かこ ) に

どうでも 良 ( い ) いほど 下 ( くだ ) らないことに 私 ( わたし ) はいつまで 囚 ( とら ) われているのか
どうでも 良 ( い ) いほど 下 ( くだ ) らないことに 何十年 ( なんじゅうねん ) と 囚 ( とら ) われているのか

「 全然 ( ぜんぜん ) どうでも 良 ( よ ) くないよ、それ」
「 自死 ( じし ) 愁 ( うれ ) うほどの 裂 ( さ ) ける 癆 ( いた ) みで」
「 信 ( しん ) じていた 生命讃頌 ( せいめいさんしょう ) を 嫌々 ( いやいや ) 疑 ( うたが ) い 出 ( だ ) した 自分 ( じぶん ) は、と」
「 全然 ( ぜんぜん ) どうでも 良 ( よ ) くないじゃんか」
「 凍 ( い ) てる 胸中 ( きょうちゅう ) を 不本意 ( ふほんい ) に 吊 ( つ ) ってまで」
「 忘 ( わす ) れ 去 ( さ ) れぬ 後悔 ( こうかい ) が 茲 ( ここ ) に 在 ( あ ) れども 今 ( いま ) 尚 ( なお ) 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めるのだから」

忘 ( わす ) れれない 何 ( なに ) かが 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めているような 気 ( き ) がした
それは 架電線 ( かでんせん ) の 連 ( つら ) ねるその 先 ( さき ) で 列車 ( れっしゃ ) を 象 ( かたど ) った
忘 ( わす ) れている 何 ( なに ) かが ずっと 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めていたのか
凍 ( こご ) えた 空 ( そら ) に 放 ( はな ) つ 終電 ( しゅうでん ) が 発車 ( はっしゃ ) の 汽笛 ( きてき ) を

いつか 忘 ( わす ) れていた 何 ( なに ) かが ずっと 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めていたのか
それは 迚 ( とて ) も 愉快 ( ゆかい ) な 噺 ( はなし ) だったと 車窓 ( しゃそう ) 越 ( ご ) しに 告 ( つ ) げた
また 忘 ( わす ) れて 了 ( しま ) う 何 ( なに ) かは また 引 ( ひ ) き 止 ( と ) めて 呉 ( く ) れようか
窓辺 ( まどべ ) 乗 ( の ) り 出 ( だ ) し 見 ( み ) える 姿 ( すがた ) を ゆっくりと 視 ( み ) ていた 見 ( み ) えなくなる 迄 ( まで )