英題:Read the Meaningless Story and Make It Your Classic.
作曲:thus(2022)
編曲:thus(2022)
詩:thus(2022)
Song by thus © 2022 thus
動画:thus(2022)
―フォント:クレー One
―
―
「
教訓
の
無
い
物語
を
知
りなさい。
癡
れるように、
擦
れるほどに
繰
り
返
し、
貴方
の
古典
としなさい。」
―
*
ずっと
同
じ
物語
を
繰
り
返
し
読
んでいる。
教訓
など
何
もない
退屈
な
物語
だ。
そうすれば
私
は、
言葉
を
交
わせるから。
そうすることでしか
私
は、その
世界
を
現実
にすることができないから。
そうしなければ
私
は、
言葉
を
持
っているということを
実感
できないから。
**
教訓
というものがマーチャンダイズの
一連
になってからというもの、ありとあらゆるものに
意味
が
先行
するようになりました。
前後
は
逆
かもしれませんが、そこは
重要
ではありません。
初
め
私
は、
大
して
興味
が
無
かったので、その
行
く
末
を
長
きに
亘
って
傍観
していました。
然
しそれは
次第
に、
看板
から
沁
み
出
し、
名
を
持
ち、
思想
となり、
行動
に
憑依
し、
人格
となり、
質量
を
持
って
私達
の
目
の
前
に
現
れるようになりました。
視野
を
蝕
む
緑内障
が、
蛙
を
茹
でるように。
私
の
喋
る
言葉
は
大変
奇妙
なようで、「どうして」と
幾
どの
人
が
訊
きます。
当然
のように
理由
があるに
違
いないと
疑
わないようです。しかし
理由
なんて
特
にないので
黙
っていると、
奇変
だ
奇変
だと
揶揄
うように
話題
になりました。
齢
を
問
わず、
種族
を
問
わず、
状況
を
問
わず、
素地
を
問
わず、
信条
までもを
問
わず、
面白
可笑
しく
話題
にされました。
それを
一度
目
にしようとした
自称
友人達
は、いつも
勝敗
を
決
めるしりとりを
仕掛
けて
来
ました。
私
の
前
は
必
ず「り」で
終
わり、それが
殆
厭
で
厭
で
堪
りませんでした。それは、
特等席
で
誰
かの
公開処刑
を
楽
しみに
待
つ
貴族
と、
一体
何
か
違
うのでしょうか。
私
の
前
に
毎日
できた
行列
、その
待
ち
時間
、
暇潰
しに
向
こうで
行
われているしりとり、それを
私
はどれだけ
渇望
したことでしょう。
平和
とは
何
たるかを
無形
に
辯
っている、「ん」で
終
わっても
続
くしりとりを、
私
はどれほど
庶幾
ったことでしょう。
**
なんだか、
喋
るのがもう
面倒
になって
了
って、
喋
るのを
止
めました。
**
止
めた。
已
む
無
く
医者
に
掛
かった。
次
のように
言
われた。
「
教訓
の
無
い
物語
を
知
りなさい。
癡
れるように、
擦
れるほどに
繰
り
返
し、
貴方
の
古典
としなさい。」
**
侖
った。
教訓
とは
先行
するものではなく、
生
きた
姿
に
血
の
滲
む
足跡
が
付
くように、
完成
された
人生
へ
葉
が
落
ちるように、
附帯
するものだったのではなかろうか。なのにいつから、
名前
に
籠
った
願
いを
成就
しなければならない
呪
いに
憑
かれて
了
ったのだろう。
と。
物語
を
読
みながら
独
り
言
を
口
にしていた
自分
に
気
づき、
驚
き
顔
を
上
げた。しりとり
勝負
を
仕掛
けて
来
る
自称
友人
は
一人
もおらず、
暦
は
何十年
も
前
で
止
まっており、
見慣
れない
人
が
一人
だけ
横向
きに
立
っていた。
真烏
いその
人
は、
私
の
独
り
言
へ「その
流
れるように
綺麗
な
言葉
を、もっと
聴
かせておくれ」と
言
った。
喉
から
全
ての
箍
が
決壊
し
汎濫
したように
嬉
しかった。
嬉
しかった。
嬉
しかった。
やっと、
嬉
しかったのです。
*