141. 春暁の伝言

英題:Adolescent Tones

作曲:thus(2024)
編曲:thus(2024)
歌詞:thus(2024)
Song by thus © 2024 thus

絵:天卯ととり(2024)
Art by 天卯ととり © 2024 天卯ととり

動画:thus(2024)
―フォント:瀬戸フォント

春暁 ( しゅんぎょう ) 伝言 ( でんごん )

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( いわ ) 友人 ( ゆうじん ) 大切 ( たいせつ ) にする ( ひと )
とかく 人望 ( じんぼう ) ( ) ( あふ ) れていたとか
( おの ) ずから ( うた ) ( ) した その ( とき ) から
神様 ( かみさま ) 十代 ( じゅうだい ) ( ) ( ほしいまま )

( いわ ) く その ( うた ) 死者 ( ししゃ ) ( よみがえ ) らせるほど ( むね ) ( )
葬儀場 ( そうぎじょう ) ( ひと ) 廃業 ( はいぎょう ) ( ) いやって ( おどろ ) かれたとか
また ( いわ ) く その ( うた ) ( ほし ) 地上 ( ちじょう ) にある ( ごと ) ( きら ) めいて
闇暗 ( やみぐら ) くとも 終夜 ( よもすがら ) ( ひかり ) ( あつ ) まって ( ) えるとか

その ( かがや ) きは ( とお ) くからでも ( ) えた
いずれ 仲間 ( なかま ) となることも ( ) っていた
( わす ) れれない 顔合 ( かおあ ) わせ ( ) のことを ( さき ) ( ) ( うた ) っていて
( はじ ) めて ( ) く その 歌声 ( うたごえ )

( うた ) 言葉 ( ことば ) 加護 ( かご ) ( もら ) って 青白 ( あおじろ ) 希望 ( きぼう ) ( ) らすようで
ずっとずっと ( かた ) ( つづ ) けることを ( ねが ) って ( ) まなかった
( ) うなら 神様 ( かみさま ) 後光 ( ごこう ) になって 歌唱 ( かしょう ) ( ) いて 微笑 ( ほほえ ) んでいた
( きみ ) 音楽 ( おんがく ) ( あい ) されていたんだ

( たい ) して ( わたし ) ( かみ ) ( とも ) にも 見放 ( みはな ) されて ( ) ていて
( みじ ) めになり ( ) られて ( みみ ) ( きず ) ( うず ) ( おも ) ( ) こす
( みょう ) ( こえ ) だとされた 文字 ( もじ ) ( げん ) ( ) るし ( ) げられ
機械 ( きかい ) のように 無機質 ( むきしつ ) 調律 ( ちょうりつ ) ( ) ( かえ ) すだけ

( のこ ) っていた 場所 ( ばしょ ) がこの 世界 ( せかい ) だった それだけだったから
仕方 ( しかた ) なく 消去法 ( しょうきょほう ) で のっけから ( すが ) るように ( )
人気 ( ひとけ ) ( ) ( とき ) ( はか ) らって 練習場 ( れんしゅうば ) ( ) ( ) んでは
( みみ ) ( ふさ ) ぐように ( ) ( つづ ) けた

( なに ) をしているのかと
( なに ) ( ) いているのかと
( はな ) しかける ( だれ ) かの ( こえ )
( わたし ) ( こた ) えなかった

口遊 ( くちずさ ) むのが
視界 ( しかい ) ( そと ) から
その ( こえ ) は まるで ( ほたる ) みたいに
( やさ ) しく ( ) ( はじ ) めたんだ

( ひと ) つの 旋律 ( せんりつ ) ( わた ) ( ゆず ) ( ) うような
姿 ( すがた ) ( ) ないまま ( たが ) いの ( かたち ) ( ) るような
( さなが ) 繊細 ( せんさい ) ( いき ) 意思 ( いし ) ( ) わすような
そんな ( きずな ) がすっと ( ひろ ) がってくようだった

世界 ( せかい ) ( ) わっても ( ) ぐにまた ( はじ ) まるような
その ( ) 満開 ( まんかい ) 何度 ( なんど ) でも ( いだ ) くような
そうして ( こころ ) 数珠繋 ( じゅずつな ) ぎになるような
そんな 世界 ( せかい ) がずっと ( ひろ ) がってくようだった

そんな ( ふう ) ( わたし ) ( きみ ) 出会 ( であ ) ってみたかった
差異 ( さい ) ( くせ ) ( ) ( つた ) えて ( ゆる ) ( ) かり ( ) ( とき )
だけどいつも 実際 ( じっさい ) は それきり ( ) くなっていって
地位 ( ちい ) ( きみ ) ( ) ( ) げては 上下形 ( じょうげけい ) ( ) ( ) した

景色 ( けしき ) ( ) わり 無音 ( むおん ) ( ) ( ちが ) うような
そうではないんだと 弁明 ( べんめい ) ( こま ) るような
それでも ( まよ ) いながら ( ) ( ) ( ) べるような
その 純真 ( じゅんしん ) さを ( おそ ) れたまま ( ) わっていった

そう ( ひか ) るように
いつか ( ) いつけるように
( しぼ ) ( ) してやっとな
なけなしの 希望 ( きぼう ) ( おと ) ( ) せて

研鑽 ( けんさん ) ( つづ ) ( わたし ) 数年越 ( すうねんご ) しに ( きみ ) 出会 ( であ ) った
( ) ( はなし ) ( なに ) ( かた ) るかを ( おも ) って ( きみ ) ( ) った
けれどもう 神様 ( かみさま ) 気配 ( けはい ) ( ) くて その ( こえ ) はどっか 草臥 ( くたび ) れていた
( うた ) ( とも ) 手放 ( てばな ) したような

喪失 ( そうしつ ) ( いた ) んだ ( わたし ) ( おも ) わずあの ( ) 伴奏 ( ばんそう ) ( )

( ) ける ( おと ) 青白 ( あおじろ ) ( ひか ) って ( わたし ) ( ) から ( あふ ) ( ) ( )
( きみ ) ( うた ) ( かな ) ( つづ ) けることを ( ねが ) って ( ) まなかった
それらを ( あまね ) くと ( ) れた ( きみ ) ( まぶ ) しそうに ( だま ) ( わたし ) ( )
( きみ ) 音楽 ( おんがく ) ( あい ) されていたんだ  ( いま ) もそうであってと ( ねが ) っていた

何処 ( どこ ) ( ) 何処 ( どこ ) ( ) く これから ( わたし ) 如何 ( どう ) なるのだろう
何処 ( どこ ) ( ) 何処 ( どこ ) ( ) く これから ( きみ ) 如何 ( どう ) なるのだろう
何処 ( どこ ) ( ) 何処 ( どこ ) ( ) く  ( わたし ) たちは 何処 ( どこ ) ( ) かうのだろう
何処 ( どこ ) ( ) 何処 ( どこ ) ( ) く あの 神様 ( かみさま ) 何処 ( どこ ) ( ) ってしまったのだろう